どうか覚えておいてほしい。バイトリーダーの本当に必要な素質とは
バイトリーダーに任命されたけど、全然うまくいかなくて悩んでいませんか?
・バイト仲間にあまり信頼されていない
・実質的に店長の扱いやすい駒になっている
・バイトリーダーとしての結果が出ない(新人の教育など)
アルバイトの中ではなかなか厳しいと言われている、大手の飲食店でアルバイトのリーダーを2年間勤めていた僕が、心がけていたことを簡単に紹介します。いきなりバイトリーダーに任命されて戸惑っていたり、バイトとの関係構築に悩んでいるとき、この記事をちょっとでも参考にしてもらえると嬉しいです。
始めに断言しておきますが、僕はバイトリーダーは会社のために率先して働くだけではいけないと考えています。よく、バイトリーダーと言えばこのような印象を持たれるかもしれませんが、
仕事ができるだけでは誰でもバイト程度ならできるので、バイトリーダにはもっと仕事を円滑にできる能力が必要とされていると思っています。キラキラしたものでもないので、バイトリーダーは辛い役であるという事を知っておきましょう。
ただし、やり遂げればそれだけの見返りもある魅力的な役職です。
そもそもリーダーは人気がない役職
そもそもバイトリーダーは敬遠されがちです。というのも、バイトリーダーには強い責任感が付きまとうからです。バイトリーダーとしてバイトの仲間をうまくまとめないといけないし、バイト全体の実力も上げていかなければいけません。
店が上手く機能しなかったらリーダーの教育不足のせいになりますし、売り上げなどが落ち込んだらリーダーのせいにされます。(これに関しては理不尽です)
責任感が重く、やることが多い。他のバイトに比べてやることは多いのに、時給はちょっとしか上がらないし、全然対価に見合ってない。ちょっとでも失敗すれば責任が付きまとって怒られるし、自分がミスをすると「リーダーのくせに」と言われて後輩にはなめられてしまう。
一見メリットに比べてデメリットが多く感じられてしまい、バイトリーダーを進んでやってみようという人は少ないように感じられます。実際、僕の働いていた店舗でもリーダーの擦り付け合いが起きました。
バイトリーダーのよくある失敗例も確認しておきましょう▼
リーダーは自分を変えるチャンス・経験
リーダーにもしあなたが任命されて不安に思っている、またはリーダーとしての仕事を始めてみたけどわからないことが多すぎて不安になっているあなた。先ほどリーダーという役職は対価に見合わない辛い役職でもあると書きましたが、リーダーとしての見えないメリットはたくさんあります。ざっとあげると、
・自分のやりたいことができる
・組織を動かすために必要なスキルが身につく
・仕事の充実感が得られる(達成した時)
これらの成果・スキルを身に着けることのできる素敵なポジションなのです。自分がやりたいこと、自分が成し遂げたいことを店舗の目標にすることができますし、組織の中でも社員に次いで重要なポストに就くことができるため、ある程度の権力も得ることができます。笑
そして、仕事に必要なスキルが手に入ることもありますし、目標を達成した時の充足感も得ることができます。
僕はリーダーに就いた時、かつてない人員不足で店舗の経営が危ぶまれる状況にまで追い込まれましたが、自分が主体となって人員確保をまず第一の目標に掲げ、1か月で5人くらいアルバイトが増えて、2か月目で7人くらいアルバイトが増えて・・・
いきなり結果が出たのは正直できすぎでしたが、自分がやりたいことの結果が出るのは、達成感というか、生きてて楽しい!というような幸せな感覚に陥ります。
この感覚、経験はほかではなかなかできないことだと思います。そもそも、社会人になって重要なポストに就けるかと言ったらそうでもないし、まず、学生でアルバイトをやっている中でバイトリーダーになれる人だって少ないですから。これは、あなたに巡ってきたチャンスだと肯定的にとらえて、リーダー生活を存分に楽しんでいきましょう。
バイトリーダーの役割とは
じゃあまずリーダーとして何から始めていけばいいのでしょうか。僕はバイトリーダーの役割は、
「みんなの模範となり、正しく導く」
事だと思っています。みんなの模範となるというのは仕事ぶりもそうですが、人柄であったり、精神面の強さであったりです。
どんなに仕事ができる人であっても、すぐにほかのスタッフが失敗すると怒ったりイライラしたり、仕事ができない人を無能扱いしてイジメの対象にしたり・・・
仕事ができても人間的に尊敬されるような人でないとバイトリーダーの意味がありません。バイト「リーダー」つまり、みんなをリードする存在であるべきなので、みんなよりも率先して動き、後輩などの模範となるようにならなくてはいけません。
自分が偉いからと勘違いして「ふんぞり返っているような人」は、バイトリーダーではなくボスなので勘違いしないように。
社員の仕事とバイトリーダーを混同しないでほしい
バイトリーダーが勘違いして社員の業務の範囲にづけ付けと踏み込もうとする人がいます。というか、バイトリーダーになる人に見られがちな傾向です。(体験済み)
それがよく表れるのが、「売上を上げること」を目標にすることです。
申し訳ないけど、こういう目標を立てていたリーダーには、「いや、あなたは社員か何かですか?売上ばかり見て何かを見失ってません?」と目の前で声を大にして言いたい
心の中でつぶやきたいですね。
まず、リーダーとしての役割と、それ以外の役職を持っている人(社員とか店長とか)との役割をはき違えないようにすることを心がけてほしいです。社員は社員、リーダーはリーダーです。
この二つのポジションが被るようになって来たらなかなか面倒くさいことになります。というか、どうやって売り上げを伸ばすのかの方法を知らない人がリーダーになったからと言って急に売り上げについて考えるのもおかしい話なんですよ。素人にはできないですし。どうやったら売り上げが上がるかを勉強したり、考えたりすることはとってもいいことなんですけどね。
だいたい、バイトが売り上げに貢献したところで時給あんまり上がらないし。
でも、バイトリーダーになったとたんに「今月の売り上げが~」とか「数字的には~」とかいう人がいらっしゃいます。個人的にはリーダーになってもたかがアルバイトなんですよね。僕の中では、ちょっと偉くなったからと言って「お金」面にかかわることはしないほうがいいと思っています。僕からしたら、急にお金面で結果を出そうとするのはちょっとずれているかな。と。
バイトリーダーは学校でいうところの委員長的存在です。確かにカーストでの位置は上昇しますが、そんなにです。委員長が絶対的かと言われればそうでもないでしょ?
そんな存在が社員と同じことをしようとしても「この意識高い系が」と思われて終わりです。これからバイトリーダーを始めるあなたはもっと違うところで活躍できるような分野を見つけましょう。
社員にはできないことだけどアルバイトにはできることはたくさんあります。たとえば、アルバイト同士でご飯に行って仲を深めるとか。仲のいい友達を自分の店に連れていき、満足させる接客をしてその人に口コミで店の評判を上げるとか。
社員にはできないあなただけの役割がきっとあるはずです。
バイトリーダー時代の自分の体験談
僕の場合は、売り上げには全く興味なかったので、(売り上げが落ちても自分のせいではないし、社員の経営に難があっただけだし大体頑張ったところで時給上がらないし)とにかく環境を整えることを大切にしました。
僕にとってその環境を整えるための目安にしたのが、人員数だっただけ。
数字として最初は10人の新人を入れることを目標にしました。先述の通り、ポンポン運よく人が入ってすぐに人は集まりました。それによって僕は満足してしまいました。やはり目標の数値を達成したことに慢心していたのでしょう。自分は大したことはしていないのに、ほぼ運で達成できたのに、自分の力だと勘違いして一人で嬉しくなっていました。今思えばそれが大きな落とし穴でした。
10人集まって満足していたある日、
「いや、新人10人集めても意味なくね?」
ということに気付いたのです。全然仕事のできない人を10人集めても、戦力的には半分にも満たないことに気づけなかったのです。全然仕事ができない人を寄せ集めても、「仕事ができない!」とクレームを呼ぶだけです。クレーム対応にも時間がかかりますし、最悪お店の評判を落とすことになってしまいます。結局人を集めたところで、戦力にならないと意味ないじゃんということに気付くのに時間を要したのです。
そして、
僕は新人の面倒を疎かにしていたので、新人の子はお客さんに怒られまくるというトラウマを植え付けてしまったのです。
数値的に達成していても、実際にはどうなのか。10人いても働ける奴が3人とかだったら本質的には3人集めたのと同じです。数値だけではなく、本質を見失わずに行動できていれば起こさなかった失敗です。
ここからすぐに新人の教育に取り組みましたが、なかなかうまくはいかなかったです。かなりの苦労をしましたし、教え方次第で余計に新人の子を混乱させることもありました。きつくいってしまったことによってやめてしまった子もいました。でも、いろいろ経験してみたからこそ「叱るより褒めたほうがいいのかー」とか、「こういう感じで人に頼んだらいいのかー」というような人間関係の構築の上で大切なことも学ぶことができました。
いろんなことを経験して、いろんなことを吸収できました。アルバイトだからこそでしか経験できないこともたくさんあると思います。売り上げに気になるのはわかりますが、まずはリーダーとして、自分は何をするべきなのかを考えていくことは必要であると思います。僕の場合、最初は数値しかこだわってませんでいたが、数値よりももっと本質的な部分を見ていなければ、もっと大きなことを成し遂げることはできないと感じました。
そこでいろいろ経験してやっと、数値を追うのではなくて、人間的にリーダーとして成長しなければいけないという意識が芽生えました。人間的に魅力のない人間にはついていかない。そうなってしまうと目標も達成できないと気づいたのです。
バイトリーダーには何が求められているのか
結局何が言いたいか。僕はリーダーとしての喜びは数値を達成することではなく、仲間に信頼されるような人間になったり、尊敬されるような人間性だと周りに認められることのほうがリーダーとしての喜びは大きいと思うのです。確かに数値としての目標を達成できる人はすごいですけど、バイトにとって理想的なリーダーって売り上げを出せる人よりも人間的に学ぶところが多い人なんですよね。
どれだけ仕事ができたって人間的にクズだったら尊敬できないでしょう?学生は社会に出ていない分、その色が強く出ます。どんなに仕事ができても人間的に難ありの人には近寄ろうとしません。陰で嫌味を言われるのがオチです。
僕は仕事が完ぺきにこなせなくてもいいから攻めて人間的に魅力のある人になりたいと思って、いろんなリーダー論の本とかを読んで勉強しました。そして、リーダーはみんなを支える役割を持っているけど、また自分も周りによって支えられているのだ、と強く痛感しました。
ぜひ、初めてリーダーになる人には人間的成長に視野を置いてリーダー生活を過ごしてほしいと思っています。リーダーにしかできない経験はたくさんあります。その経験はきっと、役に立つときが来るはずです。もしあなたが消去法でリーダーに指名されたとしても、いやいやするのではなく、二度とない貴重なチャンスだと思って取り組むようにしてほしいです。
バイトリーダーをやっている人にとって、何かのヒントになれば幸いです。他にもバイトリーダーに就いては記述していく予定なので読んでいただけると嬉しいです。
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